・フリーランス・副業で、今までの経験を活かして就職・キャリア支援や企業の人事・採用関連の仕事をしたいけど実際は可能なのか?またどんな仕事があるの?
・どうやってこうした仕事を見つけているのか?
このような疑問に筆者の体験を元にお答えします。
本記事の内容
◆就職・キャリア支援や人事採用の具体的な仕事例
◆仕事案件受注の流れ
◆仕事案件受注の見つけ方
◆仕事をする上での必須条件は?資格は必要なのか?
この記事を書いた人
就職情報会社を経て、その後フリーランスとして就職・キャリア支援事業及び企業の新卒採用コンサルティングや採用実務代行、人材エージェントの企画運営・キャリアアドバイザーを務めてきました。
この領域で様々な仕事を経験しています。
就職・キャリア支援、人事・採用の仕事等HR領域の仕事をフリーランスや副業で行っている人が筆者も含めて周りには多数います。
この領域の仕事は思っているより結構多彩で、仕事の依頼を受けた時に
「こんな仕事もあるんだ」
と驚いたことがあります。
今回は筆者の経験を通じてどんな仕事があるのかを紹介していきます。
また、仕事の受注方法や見つけ方についても解説します。
HR領域でフリーランスとしてフルで稼働していきたい方、また副業や兼業でやっていきたい方、それぞれのライフスタイルによって、仕事の選び方も変わってくるかと思います。
本記事を参考に、HR領域で自分に合った働き方を探っていきましょう。
就職・キャリア支援や人事採用の具体的な仕事例
まずは、就職・キャリア支援や人事採用ではどんな仕事があるのかを見ていきましょう。
就職・キャリア支援の仕事
大学や専門学校で開催される就職対策講座の講師
大学や専門学校のキャリアセンターでは就活生向けに様々な就職対策講座を開催しています。
例えば、就職スタートアップ、自己分析、業界・企業研究、エントリーシート対策、面接対策等です。
その他模擬グループディスカッションや模擬面接など実践的な講座やエントリーシートでは添削という仕事が発生することもあります。
こうした講座の講師を請け負う仕事です。
講座の講師として壇上で話をする以外にも講座内容(カリキュラム)の企画からレジュメの作成まで関わっていきます。
キャリアセンターの担当者と打ち合わせした上で内容を固めていきます。
様々な講師がそれぞれ講座を担当することもあれば、一貫して一人の講師が全ての講座を担当することもあります。
上記のような就職対策講座だけではなく、非常勤の講師としてキャリアデザイン等の授業を担当するケースもあります。
大学キャリアセンターの専属就職アドバイザー(キャリアカウンセラー)
大学のキャリアセンターに常駐(週2~3回のシフト)して、学生の進路・就職相談に対応する就職アドバイザー(キャリアカウンセラー)の仕事です。
上記の講座が授業形式で多くの学生に対応するのに対して、こちらは一対一の個別対応となります。
進路や就職に関する相談だけではなく、学生のメンタルケアなど幅広い対応が求められます。
相談業務に限定されることが多いですが、その他関連の事務業務やキャリアセンター主催のイベントなどのサポートまで幅広い業務に従事することもあります。
官公庁や自治体が主催する就職ガイダンスの講師やサポーター
厚生労働省や経済産業省などの国や都道府県や市町村では就職支援や雇用対策に関する様々な委託事業があります。
民間の人材会社がこうした事業を受託して、企画・運営を行っています。
その上で、キャリアカウンセリング業務や就職対策講座の講師などの実務を担当する人が必要になりますので、こうした仕事を人材会社から請け負う形となります。
事業の内容にもよりますが、キャリアカウンセリングや就職講座の講師といった仕事が多いです。
ただ対象が大学生だけではなく、高校生であったり社会人が対象のケースも含まれます。
社会人の中でも、例えばフリーターから正社員を目指す方、主婦から就業復帰を目指す方、シニア層向けなど、細かくカテゴリーに分けられています。
上記以外でもハローワークの職業相談員の仕事なんかもあります。
こちらは委託事業ではありませんので、直接ハローワーク(管轄の都道府県労働局)との契約となります。
就職情報会社主催の就活イベントで就職講座講師、就職相談コーナーのアドバイザー
就職情報会社やその他人材系企業の多くは独自に合同企業説明会等の就職イベントを開催しています。
こうしたイベント会場では来場者向けに就職講座などを行っています。
また「就職相談コーナー」のようなブースがあり、就活アドバイザーとして来場者の就職相談に乗っていたりします。
このような就職講座の講師や就職相談ブースの就活アドバイザーを外部に委託しているケースがあり、このような仕事を請け負うこともあります。
人材紹介会社の仕事
人材紹介会社にて所属キャリアアドバイザー
人材紹介会社のキャリアアドバイザーは基本的にその会社の社員が担当していますが、中には一部キャリアアドバイザーの業務を外部委託しているケースがあります。
業務内容としては、人材会社に登録した求職者を担当し、面談(カウンセリング)から企業紹介、内定までのフォローまで一貫して行うことが多いです。
人材紹介会社にて登録者サポート(模擬面接等)
人材紹介の中でも、面談から企業紹介、内定までのフォローの業務フローを細かく分けていることがあります。
その中で例えば面接本番前の模擬面接のみを担当するケース、面談の前に事前面談を行い登録者をフォローするケースなどがあります。
こうした特定の業務のみを請け負う仕事となります。
人事・採用の仕事(新卒採用業務)
人事・採用の仕事の幅は広いですが、今回は私自身が主に携わっていた新卒採用関連の仕事に絞って紹介します。
企業の新卒採用の実務のうち一部を請け負う仕事になります。
企業によっては本来自社で行う採用業務の一部を外部に委託するケースが増えています。
というのも、企業の新卒採用は近年複雑化しており、それに伴い新卒採用にかかる業務負担が増えています。
また新卒採用の特徴でもありますが、時期により業務負担に波があります。
そのため、企業としてもマンパワーをどう調整し効率よく新卒採用を進めるか、ということが課題となっています。
そこで、注目されたのが一部の採用業務を外部に委託するという採用業務のアウトソーシングです。
具体的に、どのような業務があるのか?
主なものを上げていきましょう。
①就職サイト企業ページの原稿作成、修正・管理・運用
②学生へのメールDM原稿作成、配信
③合同企業説明会のブース運営代行
④会社説明会の企画・運営
⑤エントリーシート評価、合否判定
⑥1次面接代行
⑦学校訪問代行
ざっと挙げるとこんな感じです。
特に企業の新卒採用が一気にスタートする3月から(早いところで年明けの1月から)6月頃までは、忙しさがピークとなりますので、この時期の需要が多いということになります。
こうした仕事は企業から直接受託するというよりも、人材・採用のコンサルティング会社を通じて、個人が受託するケースが多いようです。
人材・採用のコンサルティング会社が、企業から新卒採用コンサルティング業務を受託し、その企業内でプロジェクトチームが組まれて、それぞれの業務ごとに人を配置する形になります。
配属される人の一部が私のような外部のフリーランスということになります。
就職・キャリア支援や人事採用の仕事案件受注の流れ
今まで紹介した就職・キャリア支援や新卒採用の仕事について受注の流れを解説します。
フリーランス・副業として上記に挙げた仕事案件を個人で直接受注することはほとんどありません。
依頼主は企業や学校、自治体となりますが、契約自体は法人と取り交わすこととなります。
つまり依頼主から一次受けをしている大元の企業があるということです。
それはこのような企業群です。
人材系企業(大手からベンチャー企業)
キャリア支援事業を行っている企業
人材系フリーランスのコンサルタントをマネジメントしている企業
などがあります。
こうした企業とフリーランスや副業をしている個人が業務委託契約して、二次受けの形で仕事を請け負うという形になります。
私の場合は、こうした企業のいくつかと業務委託契約を結んでおり、仕事を受けています。
仕事受けるパターンとしては色々あります。
年間契約
大学のキャリアセンターのキャリアカウンセラーの仕事や人材紹介会社のキャリアアドバイザーの仕事などは、年間契約で週何回のシフト勤務というケースが多いです。
国や自治体の仕事については事業の内容によりますが、年間での契約というパターンもあります。
期間限定プロジェクト単位の契約
新卒採用の仕事は、採用活動期間内のプロジェクト単位の契約というケースが多いです。
期間としては数か月単位、例えば1月~6月までというような感じです。
また国や自治体の仕事についても事業によっては期間限定のプロジェクトというケースもあります。
単発契約
中には単発で都度仕事を受けるケースもあります。
就職情報会社のイベントの仕事などは、このパターンですね。
以上のように、年間契約や期間限定のプロジェクト単位での契約が比較的多いので、年単位で仕事の受注見込みについては見通しがつきやすくなります。
就職・キャリア支援や人事採用の仕事案件受注の見つけ方
それでは、こうした仕事をどのように見つけていくかということが気になるところかと思います。
前述したように、仕事をフリーランス等個人に発注する大元の企業に対していかにアクセス出来るかという点がポイントとなります。
繰り返しになりますが、以下のような企業です。
人材系企業(大手からベンチャー企業)
キャリア支援事業を行っている企業
人材系フリーランスのコンサルタントをマネジメントしている企業
アクセス方法としては大まかに言うと2点あります。
・人のつながり
・公募、マッチングサイトなどで募集
それぞれについて解説していきます。
人のつながり
私自身の経験でいえば、「人のつながり」が多いのではないかと思います。
私自身も「人のつながり」から受注に至ったケースが多いです。
それでは「人のつながり」とは具体的に何かということですが、
大元の企業の担当者は、就職・キャリア支援や新卒採用の仕事をお願いできる人を探すときに、まずは自身の知り合いから声をかけていきます。
知っている人の方が、信頼できますよね。
人柄や仕事のやり方、また今までの実績も理解しているので安心して仕事を任せることができます。
そして、さらにその先、声をかけられた人がさらに自分の知り合いにも声をかける(紹介)という数珠繋ぎのように、仕事の話が広がっていくことがあります。
知り合いの紹介ということで、またこれも安心材料になりますよね。
これが「人のつながり」ということになります。
それではどうやって、この「ひとのつながり」の輪に入っていけるのでしょうか。
就職・キャリア支援や企業の人事・採用担当者などで構成されるコミュニティに所属する、またこうしたコミュニティで開催される勉強会や交流会に積極的に参加することで、自分を知ってもらうことから始まります。
そもそもこうしたコミュニティは、お互いの知見や経験を共有し学び合いながらスキルアップを目指すという目的で参加することが多いですが、結果的に人脈も広がることになります。
また常に自分の活動を発信することも重要ですよね。
「こんな仕事の案件なら、あの人にお願いできる」という状況を作るためにも、自分は何が出来るのかということは周りに発信しておいた方がいいと思います。
中にはSNSで自分の活動を発信している方もいます。
自分の仕事の領域や専門分野、今までの実績などの情報を発信していけば、声もかかりやすくなるのではないでしょうか。
公募やマッチングサイト等
公募についても解説しておきます。
公募の場合は、基本的に誰でも情報にアクセスできるため、情報収集次第では仕事案件を見つけることができます。
・仕事を発注する大元の企業の自社ホームページ
・フリーランス、副業向けのマッチングサイト
・ハローワーク(まずはハローワークのサイトで仕事検索可能)
・人材派遣のサイトに登録する
私が知っている限りですが、上記に就職・キャリア支援や企業の新卒採用の仕事案件の情報が掲載されていた実績があります。
募集の時期などの関係で、仕事案件がいつ出てくるか分かりませんのでタイミングを逃さないためにも情報をチェックしていくといいですね。
フリーランス、副業向けのマッチングサイト
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詳細は以下のリンクから移動してください。
人事に特化したフリーランス・副業向けの仕事紹介
詳細は以下のリンクから移動してください。
ハローワーク
ハローワークでも、人材・キャリア系の案件の求人が掲載されていることがあります。
まずは、ハローワークインターネットサービスにアクセスしてください。
仕事検索でフリーワード「キャリアカウンセラー」「人事」等で検索してみてください。
ドンピシャの求人が出てくるとは限りませんので、根気よく検索結果に出てきた求人を見ていくことをおすすめします。
就職・キャリア支援や人事採用の仕事をする上での必須条件は?資格は必要なのか?
就職・キャリア支援や企業の新卒採用の仕事案件を受託するために必要な条件について解説していきます。
就職支援・キャリア支援関連の仕事では、キャリアコンサルタントの資格保有者、もしくは企業での人事・採用の実務経験者のいずれかというケースが多いです。
特に大学や自治体等公的機関ではキャリアコンサルタントの資格があると仕事の幅が広がります。
また、企業の新卒採用では、新卒採用の実務経験や実績が必要ですが、仕事の内容によっては必ずしも必須ではないケースもあります。
以上、ほとんどの仕事案件は実務経験が求められますが、中には大元の企業内で研修があって未経験でもOKな場合もありますので、まずは条件を確認しましょう。
私も大元の企業で仕事を発注する立場にいたこともありますが、未経験であっても仕事を依頼したことは何度もあります。
直接的な実務経験はなくても過去の仕事経験で活かせるものがあったり、高いポテンシャルを持った人、またこの人材領域でこれからキャリアを積んでいきたいと熱意がある方ならば、仕事を教えながら進めていくことで戦力になったケースは結構ありました。
ただ、全く知らない人ではなく、やはり何らか人のつながりで関わった方でした。
やはり、人のつながりは重要ですね。
最後に
以上、フリーランス・副業で出来る就職・キャリア支援や人事採用の仕事の種類と見つけ方について解説してきました。
フリーランスなのか、副業や兼業としてスキマ時間を使って仕事をするのか?ワークスタイルによって仕事の選び方は変わってきます。
フリーランスという働き方については、以下の記事でも触れていますので、興味がある方は参照ください。
色々な働き方があります。
記事中でも触れたように、就職・キャリア支援や人事採用の仕事をやっている同業の人とコミュニケーションの機会を積極的に持って色々な働き方や可能性について情報を集めていただくとよいと思います。
またこの領域で実績を積み上げていくと、細かい仕事の受注だけではなくプロジェクト全体の企画から運営全般に関わっていくような大型案件の仕事を任されることもあります。
今回は詳細については触れませんが、いずれにしてもいろんな可能性があるのがこの領域といえますね。
今回は以上となります。