・新卒で入った会社を早期で辞めて転職活動をする予定
・でもいざ始めて見ると、転職理由をどのように話していいのか分からない
・辞めた理由なら言えるんだけど、それでいいのかな?
このような悩みにお答えします。
本記事の内容
◆転職理由を退職理由と転職目的に分けて考える
◆【退職理由】なぜ辞めたいのかを整理する
◆【転職目的】辞めてどうするのかを真剣に考える
◆転職理由の伝え方(事例から考える)
◆納得感のある【転職理由】を伝えるときの注意点と対策
この記事を書いた人
キャリアアドバイザーとして第二新卒、既卒の方の転職支援、一方で第二新卒を採用する企業の採用サポートも行ってきました。
現在も入社後3年以内の転職希望者の転職活動に関するアドバイスを行っています。
新卒入社3年以内で転職活動をしている方から,
「転職理由」をどう伝えたらよいか?よく分からない。
という相談をよく受けます。
実際に聞いてみると、辞める理由中心に話すケースが多く、会社の批判や悪口になってしまうこともあります。
でもそれだけでは企業は納得してくれないでしょう。
肝心なのは、「辞めてどうしたいのか?」ということなんです。
社会人歴3年以内での転職ですから、今までの実績や退職理由よりも
「今後どうしたいのか?」
ということが転職理由の最大のポイントになります。
本記事では、どのように転職理由を伝えていけばいいのか、ということについて解説していきます。
転職理由の伝え方を理解すると、自信を持って面接に臨めるようになりますよ。
早期退職のワケ:転職理由を退職理由と転職目的に分けて考える
新卒で入社した会社を早期にやめてしまう場合、
・入社前と条件が違う
・上司のひどいパワハラ
・過酷な労働条件
など会社に対しての不満や不安があってのことが多いですね。
そして転職活動となるわけですが、面接などで
「転職理由は?」
と聞かれると、上記のように【退職理由】を話しがちなんです。
このパターンは本当に多いです。
「そうですか、それは大変でしたね。やめるのも無理はないですね」
このように理解を示してくれることもありますが、下手すると会社の批判や悪口にしか聞こえない場合があります。
ただ採用担当者にとって他の会社の事情など分かりようもないので、どんなに詳しく話してもらっても共感する事ができないのです。
なにより、そんなネガティブな感情で面接に来られても困るというのが本音です。
辞めた理由よりも聞きたいのは
「辞めてどうしたいのか」
ということです。
転職活動をしているわけですから、次はこんな仕事をしてみたいとか、新たにチャレンジしてみたいとか、まだ若いんだから何かそのような思いはないのか?
ということを採用担当者は考えているわけです。
つまり、応募者の【転職目的】を聞きたいんです。
この転職の目的は自身の未来についての話ですので、ポジティブに聞こえますし、意欲を伝える事ができます。
転職理由を聞かれたら、【退職理由】【転職目的】の両方をうまく構成して話すようにすると、納得感のある内容になります。
【退職理由】が主な転職の理由ではなく、あくまできっかけ。
【転職目的】が本来の転職理由ということで、こちらをメインに伝えていきたいですね。
【転職目的】と、企業の今回の人材採用の意図がマッチしていると、企業は貴方に期待しその後の面接は良い感じで進んでいくことになるでしょう。
それでは、【退職理由】【転職目的】それぞれその伝え方について深堀りしていきましょう。
【退職理由】なぜ辞めたいのかを整理する
貴方にとっては会社をやめる大きな理由だったとしても、面接で伝える時は,
辞めることを決意した「きっかけ」
くらいのニュアンスで【退職理由】を伝えたいところです。
当然、話すボリュームも簡潔で短めで構いません。
重要なのは【転職目的】ですので、そちらをメインに話すべきです。
とはいえ、【退職理由】が重要でないかといえばそうではありません。
簡潔に話したとしても、その後深堀りされる可能性があります。
どうしても確認しておきたいことがあるのです。
それは、仮に入社しても、また早期でやめてしまう可能性はないのか?ということです。
・他責で何でも周りのせいにしてしまう。
・考えが自分本位で周りと協調しない。
・ちょっとしたことですぐに心が折れてしまうなど繊細すぎる。
・何事に関しても深く考えない。
このような理由だと、また同じことが繰り返されるかもしれないという再現性の懸念があります。
そのような懸念がないか、念のため確認をしておきたいのです。
そのため、あらためて退職理由を振り返っておきましょう。
辞める理由としては例えば、
・会社の人間関係(ハラスメント)
・労働条件(勤務時間、勤務体制)
・やりたいことと違う
・会社の業績が悪く将来が不安
このようなケースが多いようです。
このような事態に遭遇して、どう受け止め感じるかは個人差があります。
企業の懸念を払拭する【退職理由】なのかどうかの線引きとしては
・事態を改善するために自分なりに行動したのか
・もう自分の力ではどうしようもないことなのか
このあたりがポイントとなってきます。
他責かどうか、ということですね。
この点を意識して【退職理由】を伝えていきましょう。
【転職目的】やめてどうするのかを真剣に考える
先述のように、面接で転職理由を話す時は【転職目的】をメインに話すべきです。
【転職目的】とは?
・転職してどうしたいのか? どうなりたいか?
・何を目的に転職をしたいのか?
・転職を機に何か目指すものはないのか?
ということです。
この【転職目的】を軸に、具体的な応募企業を探していくことになりますよね。
【転職目的】無くして応募先企業を選んでいくというのは、企業からしてみると
「考えが浅い」
という判断になりかねません。
この【転職目的】をきちんと伝えていかないと、実際になぜその企業を志望しているのか?
という【志望動機】が薄っぺらいものになってしまいます。
だからしっかりと伝えていく必要があるのです。
そう言われても、そんなに考えていないよ!
とにかく今よりいい条件、いい環境の企業に転職できればいいの!
このように考える方もいらっしゃるかもしれません。
筆者がキャリアアドバイザーとして面談している際に、「あまり深く考えていなかった」という方に多数出会いました。
仮にそうだとしても、
「それでは一緒に考えていきましょう」
ということで、学生時代から前職での仕事の話を聞きながら、
・その人の興味・関心
・やってみたいこと
・実現してみたいこと
を見つけていく、そして企業に伝えられるように言語化していく、ということをやってきました。
今からでも遅くありません。
もう一度、自分自身の過去、現在、未来について、自分自身と向き合って考えていきましょう。
今まで接した人の事例をいくつか挙げておきます。
大学で学んだことを活かしたいという思いがあったが、就職先は全く別の分野。実際働いてみて最初の思いと実現したいと思うようになった。
正直あまり考えずに流れでIT業界に就職した。でも学生時代に接客のアルバイトをしていて、やっぱり直接人にサービスを提供して喜ばれる仕事がしたいと思った。
何となくのあこがれで入った業界だったが、現実は厳しくて思っていたものと違った。もう一度リセットをしてきちんとスキルが身につく仕事をしていこうと決め、今のその勉強をしながら転職活動をしている。
皆さん、現状を受け止めつつ、自分自身と向き合って考えて次に目指すべき道を決めていますね。
企業としては、どうやって考え自分なりの方向性を決めたのか、その過程を聞きたいんですよ。
ここでその考えに共感出来て、企業の採用の意図とマッチしていれば、企業の方も前向きに考えていきましょうということになるわけです。
転職理由の伝え方(事例から考える)
これまで【退職理由】【転職目的】について解説してきましたが、2つを組み合わせてどのように【転職理由】を伝えていくのか、についてふれておきます。
前にも解説した通り、【退職理由】はあくまできっかけで手短に伝え、メインは【転職目的】でこちらのボリュームを多めに伝えます。
目安としては【退職理由】2割、【転職目的】8割といったところでしょうか。
例えば、
退職者が多く補充もないため月平均も残業時間が80時間を超えて体力的に不安になったのが退職のきっかけ。
辞めて転職を考えた際に、この機会に自分自身の将来のキャリアを見直すことにした。元々大学時代に授業でプログラミングをやっていて、実際に動かすことに面白さを感じていたので、こうした経験を活かしてITのエンジニアを目指そうと考えた。これからITエンジニアの需要は高まると思ったし、スキルを身に着けていきたいという思いも強くなった。現在はあらためてプログラミング言語をWebで学んでいる。
こんな感じです。
あくまで例ですので、ご自身のケースに当てはめて考えてみてください。
退職理由はあくまできっかけであって、その後自身と向き合って自分のキャリアを真剣に考え、実際に勉強している点なども含めて、ポジティブな姿勢が現れた内容になっていますよね。
上記の例ですと、仮に応募先企業が未経験でもITエンジニアを目指そうとしている人を採用したいという意図があった場合は、その意図に近い内容ですね。
こうなると、面接においても、採用担当者が興味を持ってくれて、内定に向けての可能性が高くなってきます。
納得感のある【転職理由】を伝えるときの注意点と対策
面接では、【転職理由】を聞いた後、それでは、なぜ弊社に応募したのか?という志望理由が聞かれます。
ここで、【転職目的】と、応募している企業の事業内容や仕事内容が合っていないと、説得力のある【志望動機】を話すことが出来ません。
つまり、【転職目的】と【志望動機】は繋がっていないと、
「えっ? それって弊社じゃないんじゃないの?」
と言われかねません。
応募する企業が決まっているのなら、その企業の募集要項や企業HPを確認しつつ、この点はしっかりと確認していきましょう。
これから応募先企業を探していくという場合、上記の点に留意して自分自身で企業を見ていくことになりますが、どんな企業がマッチしているのかよく分からない場合は、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談してみるのも一つの手段です。
キャリアアドバイザーが、転職エージェントに登録している企業の中から【転職目的】に合った企業を判断して提案してくれるでしょう。
よりマッチした求人を探すには、転職エージェントに相談した方が効率的ですし確率も上がります。
転職エージェントのキャリアアドバイザーにとっても、【転職目的】をしっかり持っている人のほうが、よりマッチした求人を紹介できるので、より協力的になってくれると思います。
もちろん紹介された企業に応募するかどうかは、ご自身の判断になりますので、その点は心配いらないです。
新卒で早期に転職する方は「第二新卒」とうカテゴリーで転職が可能です。
「第二新卒」向けの転職エージェントがありますので、以下の記事を参照してください。
まとめ
それでは最後に今回のポイントだけまとめておきます。
・【転職理由】は【退職理由】と【転職目的】に分けて構成する。
・【転職目的】をメインにポジティブイメージで話す。
・【転職目的】と応募先企業が合っているかを確認する。
・転職エージェントでよりマッチした求人の紹介が可能。
今回は以上となります。