
「面接の第一印象が大切」と聞いて、不安を感じていませんか。
- 面接の第一印象は何で決まるの?
- 見た目だけで合否が決まることはある?
- 面接官に好印象を与えるには、何を準備すればいい?
- 緊張して表情が硬くなりやすい場合はどうすればいい?
このような疑問に、5,000人以上の応募者を見てきた現役面接官の視点からお答えします。
結論からいうと、面接の第一印象は見た目だけで決まるものではありません。面接官は、身だしなみ、表情、挨拶、声、姿勢、立ち振る舞いなどを総合して「一緒に働く姿をイメージできるか」を見ています。
この記事を書いた人
企業の採用に関わり、面接官としても今まで5000人以上面接をしてきました
現役の面接官、また大学などで面接指導も行っています
第一印象だけで合否が決まるわけではありませんが、最初に安心感を持ってもらえれば、その後の受け答えも前向きに受け取られやすくなります。
この記事では、対面面接とWeb面接の両方について、第一印象を良くする具体的な方法を解説します。面接直前のチェックにも活用してください。
面接の第一印象は合否に影響する?

面接の合否は、第一印象だけで決まるものではありません。経験やスキル、志望動機、受け答えの内容、応募先との相性など、さまざまな要素をもとに総合的に判断されます。
ただし、第一印象がその後の面接の雰囲気や評価に影響することはあります。
たとえば、明るく挨拶し、相手の話を落ち着いて聞く応募者に対しては、面接官も「コミュニケーションを取りやすそうだ」「仕事を安心して任せられそうだ」と感じやすくなります。
反対に、挨拶が聞こえない、視線がずっと下を向いている、服装が著しく乱れているといった状態では、受け答えの内容を聞く前に不安を与えてしまう可能性があります。
大切なのは、自分を実際以上に良く見せることではありません。相手に不安を与える要素を減らし、本来の自分をきちんと見てもらえる状態をつくることです。
第一印象は「見た目」だけでは決まらない
第一印象というと、服装や髪型などの外見を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、面接官が受け取る情報は外見だけではありません。
- 清潔感のある身だしなみ
- 自然な表情
- 相手に届く声の大きさ
- はっきりした挨拶
- 背筋を伸ばした姿勢
- 相手の話を聞く態度
- 入退室や着席時の振る舞い
このような言葉以外の情報も組み合わさって、面接の第一印象がつくられます。
なお、「メラビアンの法則」を根拠に「人は見た目がほとんど」「話す内容は重要ではない」と説明されることがありますが、これは正確ではありません。この法則は、感情や態度を伝える場面で言葉と表情・声が矛盾したときに、どの情報が受け取られやすいかを扱ったものです。
面接では、話す内容と伝え方の両方が重要です。内容を十分に準備したうえで、表情や声、姿勢も整えると考えましょう。
面接官が第一印象で見ている5つのポイント

ここからは、面接官が応募者と初めて顔を合わせたときに見ている主なポイントを解説します。
1.清潔感のある身だしなみ
面接の服装で最も大切なのは、高価なものを身につけることではなく、応募先や面接の場に合った清潔感です。
次の項目を前日までに確認しておきましょう。
- 服に目立つ汚れやしわがないか
- サイズが合っているか
- 髪が顔にかかり過ぎていないか
- 寝ぐせや髪の乱れがないか
- 靴やかばんが汚れていないか
- 爪が長過ぎたり汚れていたりしないか
- 香水や整髪料の香りが強過ぎないか
面接官が見ているのは、おしゃれかどうかではありません。相手や場面に配慮して準備できる人かどうかです。
服装の指定がない場合は、企業の業界や社風を確認し、迷ったら落ち着いた服装を選ぶと安心です。「服装自由」でも、何を着てもよいという意味ではなく、仕事の場に合う服装が求められます。
2.表情と適度なアイコンタクト
無表情のまま挨拶すると、緊張しているだけでも「話しにくそう」「意欲が低そう」と受け取られることがあります。
ずっと笑顔でいる必要はありません。入室時の挨拶や自己紹介の最初と最後など、要所で口角を少し上げるだけでも、柔らかい印象になります。
アイコンタクトも、相手の目を見続ける必要はありません。話し始めや大切な部分で相手の顔を見て、ときどき自然に視線を外す程度で十分です。
緊張して目を見るのが難しい場合は、眉間や鼻のあたりを見る方法もあります。複数の面接官がいるときは、質問した面接官を中心に見ながら、ほかの面接官にもときどき視線を向けましょう。
3.明るく聞き取りやすい挨拶と声
第一声は面接の印象を大きく左右します。小さ過ぎる声や早口は、自信がない印象を与えやすいため注意が必要です。
面接では、普段より少しだけ大きく、ゆっくり話すことを意識しましょう。声を無理に高くする必要はありません。語尾まではっきり発音すると、落ち着きと意欲が伝わります。
入室時は、面接官のほうを向いて「本日はよろしくお願いいたします」と伝えます。オンライン面接でも、接続後の第一声を明るく届けることが大切です。
4.姿勢と立ち振る舞い
背中が丸まり、うつむいた状態では、不安そうに見えやすくなります。立っているときも座っているときも、背筋を軽く伸ばし、肩の力を抜きましょう。
椅子には深くもたれかからず、背もたれとの間に少し余裕を持って座ります。手は軽く重ねて膝の上に置くと、落ち着いて見えます。
ただし、姿勢を意識し過ぎて体が固まると不自然になります。面接前に一度深く息を吐き、肩を下げると力を抜きやすくなります。
5.相手の話を聞く態度
第一印象は、自分が話しているときだけにつくられるものではありません。面接官の説明を聞いているときの表情や反応も見られています。
相手が話しているときは、顔を上げて聞き、適度にうなずきましょう。質問を最後まで聞かずに話し始めたり、相手の言葉にかぶせたりすると、落ち着きのない印象を与える場合があります。
質問の意図がわからないときは、推測で答えず、「〇〇という理解でよろしいでしょうか」と確認して構いません。確認する姿勢は、むしろ丁寧なコミュニケーションとして伝わります。
面接の入室から着席までに好印象を与える流れ
対面面接では、面接室に入ってから着席するまでの短い時間に、多くの情報が伝わります。難しいマナーを暗記するより、相手に失礼のない落ち着いた行動を心がけましょう。
入室前
ドアを軽くノックし、「どうぞ」と言われてから入室します。返事が聞こえない場合は、少し待ってから再度ノックしましょう。
入室時
ドアを静かに閉め、面接官のほうを向いて挨拶します。背中を向けたまま挨拶したり、ドアを勢いよく閉めたりしないように注意してください。
椅子の横で挨拶
椅子の横まで進み、氏名を名乗って「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。よろしくお願いいたします」と伝え、一礼します。
着席
面接官から「お掛けください」と案内されてから座ります。かばんは椅子の横に立てて置き、コートは建物に入る前に脱いでおくのが基本です。
細かな動きを完璧にこなすことよりも、明るい挨拶、落ち着いた動作、相手への配慮を優先しましょう。
面接の第一印象を良くするために前日までにできる対策
第一印象は、生まれつきの容姿や性格で決まるものではありません。事前の準備と練習で改善できます。
スマートフォンで自分を撮影する
自己紹介や志望動機を話す様子をスマートフォンで撮影してみましょう。自分では気づきにくい表情、姿勢、声の大きさ、話す速さを客観的に確認できます。
すべてを一度に直そうとせず、まずは「顔を上げる」「語尾まで話す」など、改善点を一つか二つに絞るのがコツです。
家族や友人に最初の30秒だけ見てもらう
模擬面接を最初から最後まで行う時間がなくても、入室、挨拶、着席、自己紹介までを見てもらうだけで効果があります。
「明るく見えるか」「声が聞き取りやすいか」「落ち着いて見えるか」の3点を率直に教えてもらいましょう。
服装と持ち物を前日にそろえる
当日の朝に服のしわや靴の汚れに気づくと、焦りが表情や態度に出やすくなります。服装、靴、かばん、応募書類、筆記用具などは前日までに確認してください。
会場までの経路や所要時間も調べ、余裕を持って到着できる予定を立てておきましょう。
最初の挨拶を声に出して練習する
緊張すると、普段は言える挨拶でも声が出にくくなります。「本日はよろしくお願いいたします」と実際に数回声に出しておくと、面接本番でも自然に話しやすくなります。
第一印象が悪くなりやすい面接のNG例

次のような行動は、本人に悪気がなくても面接官を不安にさせる可能性があります。
- 挨拶をせずに入室・着席する
- 声が小さく、語尾が聞き取れない
- 無表情で、視線がずっと下を向いている
- 面接官の話を遮って答える
- 椅子に深くもたれ、姿勢を大きく崩す
- 服や靴に目立つ汚れやしわがある
- スマートフォンの通知音を鳴らす
- 面接の受付時刻に遅れる
- 待合室で大声の会話や通話をする
面接官との対面前から選考は始まっていると考え、受付や待合室でも丁寧に行動しましょう。
もし途中で失敗しても、それだけであきらめる必要はありません。言い間違えたら落ち着いて言い直し、質問を聞き取れなかったら丁寧に聞き返しましょう。失敗後の対応から、誠実さや落ち着きが伝わることもあります。
Web面接で第一印象を良くするポイント

Web面接では、画面に映る範囲が限られるため、表情、声、カメラの位置、照明の影響が対面面接以上に目立ちます。
カメラを目の高さに合わせる
カメラが低いと、面接官を見下ろしているような映り方になったり、視線が下がったりします。パソコンの下に台を置くなどして、カメラを目の高さに近づけましょう。
顔が明るく映る場所を選ぶ
窓や照明を背にすると、顔が暗く映ります。光が正面または斜め前から当たる位置を選び、事前に画面で確認してください。
話し始めと話し終わりはカメラを見る
相手の顔を確認するときは画面を見て構いませんが、ずっと画面だけを見ていると、相手からは視線が下がって見えることがあります。挨拶や回答の要点ではカメラを見ると、目線が合った印象になります。
音声と通信環境を確認する
面接前に、マイク、イヤホン、カメラ、通信状況を確認します。表示名が適切か、背景に個人情報や生活感の強いものが映っていないかもチェックしましょう。
接続後は、面接官の声が聞こえることを確認し、笑顔で「本日はよろしくお願いいたします」と挨拶します。
Web面接の詳しい注意点は、関連記事「就活のWeb(オンライン)面接で気を付けることとは?NG事例から学ぶ」も参考にしてください。
履歴書やエントリーシートの第一印象も整えよう

面接前に提出する履歴書やエントリーシートも、応募者の第一印象をつくります。
書類では、次の点を確認しましょう。
- 誤字や脱字がないか
- 文字の大きさや余白が読みやすいか
- 記入漏れがないか
- 写真が傾いたり、はがれかけたりしていないか
- データで提出する場合、指定されたファイル形式やファイル名になっているか
手書きの場合、字の上手さよりも、読み手を意識して丁寧に書かれていることが大切です。
証明写真は、応募先から指定されたサイズや撮影時期を守り、清潔感のある服装と自然な表情で撮影します。写真館の利用は選択肢の一つですが、必須ではありません。証明写真機を利用する場合も、姿勢や表情、髪型を整えれば適切な写真を準備できます。
面接の第一印象に関するよくある質問
Q.面接は第一印象だけで決まりますか?
第一印象だけで合否が決まるわけではありません。経験、能力、志望動機、受け答え、企業との相性などを含めて総合的に判断されます。ただし、第一印象はその後のコミュニケーションを円滑にする重要な要素です。
Q.緊張して笑顔になれないと不利ですか?
緊張すること自体は問題ではありません。無理に笑顔を作り続ける必要もありません。入室時と挨拶時に少し口角を上げ、顔を上げて相手に届く声で話すだけでも印象は変わります。
Q.面接官の目をずっと見たほうがよいですか?
見続ける必要はありません。話し始めや要点で相手の顔を見て、ときどき自然に視線を外しましょう。目を見ることが難しい場合は、眉間や鼻のあたりを見る方法もあります。
Q.面接中に失敗したら第一印象は取り戻せませんか?
失敗後の対応によって印象を整えることはできます。言い間違いを落ち着いて訂正する、わからないことを正直に確認する、最後まで丁寧に受け答えするといった姿勢が大切です。
Q.面接で一番大切な第一印象対策は何ですか?
まずは、清潔感のある身だしなみ、明るい挨拶、聞き取りやすい声、自然な表情、背筋を伸ばした姿勢の5点を確認してください。特別なテクニックよりも、基本を丁寧に実践することが好印象につながります。
面接前の確認には、厚生労働省関連の就職支援サイト「働きたいネット|面接本番!第一印象の重要ポイント」も参考になります。
まとめ|面接の第一印象は準備で良くできる

面接の第一印象は、容姿だけで決まるものではありません。身だしなみ、表情、挨拶、声、姿勢、相手の話を聞く態度など、準備や練習で改善できる要素が中心です。
最後に、面接前に確認したいポイントをまとめます。
- 応募先と面接の場に合った清潔感のある身だしなみを整える
- 入室時は顔を上げ、相手に届く声で挨拶する
- 背筋を軽く伸ばし、肩の力を抜く
- 要所で相手の顔を見て、自然な表情を意識する
- 面接官の質問を最後まで聞いてから答える
- Web面接ではカメラの高さ、照明、音声を事前に確認する
第一印象だけで採用が決まるわけではありません。しかし、最初の不安を減らして面接官に安心感を持ってもらえれば、準備してきた経験や志望動機をきちんと伝えやすくなります。
完璧に振る舞おうとせず、「相手に伝わる挨拶」と「落ち着いて話を聞く姿勢」から始めてみてください。