・就活ではまずやりたいことを見つけなさいと言われるけど、よく分からない。
・正直やりたいことが無くて不安だ。
・やりたいことって決めなきゃいけないの?
このような悩みにお答えします。
本記事の内容
◆「やりたいこと」とは何なのか?
◆「やりたいこと」が見つからない人の特徴
◆「やりたいこと」が見つからないのは情報不足かも
◆仕事の中身を知ることが重要
◆世の中にはどんな仕事があるのか?その中身は?
◆具体的な仕事イメージを知る方法
この記事を書いた人
今まで複数の企業の新卒採用担当者として実際に選考に携わってきました。
一方で大学などで就活対策の講師として就活講座やカウンセリングを行ってきました。
「やりたいこと」が分からない、だから就活が前に進まない。
まずは「やりたいこと」をしっかり確立しないといけないという印象がありますね。
でも、「やりたいことがない」という理由で就活に一歩踏み出せない、就活が停滞してしまうのはもったいないことです。
結局のところ、就職=仕事をするということなので、まずは「仕事」を知っておく必要があります。
「やりたいこと」は、結局は世の中にある仕事のことを知らないとなかなかイメージできません。
「やりたいこと」に必ずしもこだわる必要はありません。
「やりたいこと」を考える前に、世の中にどんな「仕事」があるか見ていきましょう。
そこで今回は、「やりたいこと」を見つけるための第一歩である、世の中にある仕事を知る方法を解説していきます。
そもそも「やりたいこと」とは何なのか?
就活では「まずはやりたいことを見つけるべき」と言われますよね。
そのためには、自己分析や業界研究・企業研究をますは始めなさいと。
正直に言って、自己分析や業界・企業研究を完璧にやろうとしても、どこから手を付けてよいか分からないし、終わりが見えない。
「自己分析」「業界・企業研究」に関する就活本を買ってきて、まじめに机の上で取り組んでも時間ばかり経ってしまい、「やりたいこと」なんで見えてきません。
「やりたいこと」をきちんと定めないと就活は進まないのか?
いや、そんなことはありません。
いきなり完璧に「やりたいこと」を見つけようとすると、その段階で行き詰ってしまうこともあるでしょう。
そもそも、就活における「やりたいこと」とは何でしょうか?
大前提として、企業は働く=仕事をするところですから、
「やりたいこと」=どんな仕事をしたいのか?
ということになります。
積極的にこの仕事をやりたい!というところまで求めなくても構いません。
・やるんだったら、こんな仕事がいいのかな?
・自分に合っていそう!
・ちょっと面白いかも、興味が持てるかも
といった直感や思いつきから始まってもいいんです。
いずれにしても、まずは世の中にどんな仕事があるのかを知ることから始まります。
その上で、自分のとってはどんな仕事がいいのか?
ということを考えていけばいいと思うんですよね。
「やりたいことがない」見つからない人の特徴
それでも、「やりたいこと」が見つからないのは、企業は働く=仕事をするところという大前提が抜け落ちている学生をよく見かけます。
どこの企業に入るかが目的となっていて、どんな仕事をしたいのかという視点がないんです。
この状態だと、やりたいことなんて見つかりませんよね。
また、そもそも本音ではあまり働きたくないと思っている人もいるんじゃないでしょうか。
あるいは会社で働くということにネガティブイメージを持っている人もいるかと思います。
やりたいことを考えるなんて、それだけで億劫になるかもしれません。
でも就職したら、働かなければなりません。仕事をしなければなりませんよね。
ここは覚悟を決めて、働く決心をしましょう。
どのみち、やらなきゃいけないんだったら、自分にとってはどんな仕事がいいのか?
まずは、そんなことを考えていきましょう。
「やりたいことがない」~見つからないのは情報不足かも
まずは、どんな仕事がいいのかを考えましょう、という話をしました。
そのためにも世の中にはどんな仕事があるのかを知ることから始めたいですね。
自己分析にまだ取り組んでいない、まだ中途半端でよく分からないという段階でも構いません。
まずは仕事について知ることから始めましょう。
世の中にはたくさんの仕事があります。
仕事の種類を指す職種について見ていきましょう。
厚生労働省所管の独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の調査によると、日本にある職種の数は約1万7000種類以上あるとしています。
また以前は存在しなかった新しい職種も生まれてきていますね。
世の中には、これだけたくさんの仕事があるんです。
このうち、どれだけ知っているでしょうか。
これだけの職種の中で、きっと貴方なりに
【やってみたい仕事】【いいかも!と思える仕事】【興味のある仕事】
があるはずなんです。
まずは、そんな仕事を見つけていきたいですね。
ただ、仕事を調べようとしても、これも億劫な作業です。
また全てを把握しようとすると、それは大変な作業になってしまいます。
そのため、日常よく目にしたり身近な存在となる仕事に目が行きがちですね。
そこで終わってしまうと、本当に限られた仕事の種類に触れることしかできません。
普段目にすることのない仕事にも注目していきたいですね。
「やりたいことがない」の前に世の中にはどんな仕事があるのかを知る
世の中にある仕事は職種としてカテゴライズされています。
代表的な職種を紹介しましょう。
・営業(法人営業・個人営業・代理店営業・インサイドセールス)
・企画(企画・広報宣伝・商品企画)
・マーケティング(市場分析、統計調査、Webマーケティング)
・事務系(総務、庶務、人事)
・専門的事務(経理、会計、財務、法務)
・販売接客サービス
・マネジメント(物流・倉庫・配送、生産管理、店舗運営管理、スーパーバイザー、不動産管理、制作ディレクター、プロジェクトマネジメント)
・コンサルタント
・ITエンジニア
・エンジニア(電気・電子・機械・建築)
・クリエイティブ(デザイナー、イラストレーター)
以上の職種について、まずは深く考えずに直感でも構いませんので、気になった仕事について、Webで検索して仕事の内容を調べていきましょう。
例えば、「営業職とは」「事務職とは」等のキーワードで検索すると、それぞれのキーワードに関するWebサイトが出てきます。
でも、いくら仕事の種類を知ったとしても、具体的な仕事の中身まで知っておかないと興味を持てないかもしれません。
また、表面的な仕事に関するイメージだけで好き嫌いの判断をしてしまいがちです。
「食わず嫌い」みたいな状態ですね。
仕事について具体的にはどんな動きをして、何を目的に行っているのかというところまで詳しく知りたいところです。
このようにして初めて、やってみたい仕事、いいかも!と思える仕事、興味のある仕事が見つかると思うんですね。
仕事を調べる工程として以下の手順で行っていくとスムーズです。
①世の中に様々な種類の仕事を知る。
②基本的な仕事内容を知る。
③具体的にどんな動きをして、どんな目的でやっているのかを知る。
特に③の段階まで行くと仕事のことをより理解できて、仕事イメージも明確になるので判断しやすくなります。
でも、実際は具体的に「日々何をするのか」どんな動きをするのか、ということまで詳しくは書いていないのでよく分からないですね。
1日8時間働くとしてその間に
・具体的に何をするのか?
・どんな動きをするのか?
・何を考え行動しするのか?
・どんなことが求められるのか?
ということまで具体的に分かれば、
・本当に自分に合っているのか?
・自分の強みを生かせるのか?
・夢中になって取り組めるのか?
このようにイメージが湧くんですが、実際ははこの情報があまりないんですね。
このような情報を得るにはどうしたらいいのか?
そんな時は直接社会人に聞いたり、実際に仕事を体験してみるのが手っ取り早い方法となります。
具体的にはどんな方法があるのかを探っていきましょう。
「やりたいことがない」から、具体的な仕事イメージを知る方法
具体的な仕事内容を知る機会は色々あります。
多少手間はかかりますが、自分に合った仕事を見つけるためには、これから紹介する方法を是非試してもらいたいと思います。
①インターンシップ、社員懇親会
多くの企業で実際の仕事理解を深めてもらうためにインターンシップを実施しています。
こうした企業が開催しているインターンシップに参加するのも仕事理解のための有効な手段です。
とりあえず、興味を持った企業でいいので、まずは参加することをお勧めします。
(人気企業だと、インターンシップに参加するための選考があるので注意が必要です。)
1日~3日くらいの短期のものから数か月のものまで様々あります。
短期のケースは実際の実務というよりは、仕事の一部をケースススタディとして体験するケースが多いようです。
数か月に及ぶインターンシップは、実際の業務を行うため、具体的な仕事を体験できます。
また、企業によっては実際の社員から具体的な仕事内容を紹介する懇親会等を開催しているケースもあります。
こちらは、体験するというよりも社員から具体的な仕事内容を聞くことが出来る貴重な機会といえます。
こうした機会は積極的に活用すべきですね。
②OB・OG訪問、企業訪問
OB・OG訪問は、直接社員から仕事の具体的な内容、日々どんな動きをしているか、どんなことを考え、何を目的にしているかを聞ける貴重な機会です。
キャリアセンター等で卒業生のOB・OG名簿を確認できる可能性があります。
興味のある企業で先輩が勤務しているようでしたら、連絡を取ってOB・OG訪問のお願いをしてみましょう。
連絡方法は、キャリアセンターに確認してみるといいですね。
OB・OG訪問の際は、目的をきちんと決めた方がいいですね。
会社の雰囲気や人間関係なども知りたいと思いますが、ここは仕事理解という目的でいきましょう。
実際の仕事内容や日々何をしているのか?行動レベルで聞いていくといいですよ。
せっかくの機会ですから、企業のHPや就職サイトでは分からない現場のことを聞いていきましょう。
かなり、具体的な仕事イメージが掴めると思いますよ。
仕事研究の一環として是非活用しましょう。
③身近な社会人に仕事について聞いてみる
意外と落とし穴なのが身近にいる社会人です。
親、親戚、既に社会人として働いている学校の先輩、地元の先輩などです。
アルバイト先の社員さんでもいいですし、アルバイト先で副業で仕事をしている人など、ひょっとしたら本業で仕事経験がある人がいるかもしれませんね。
自分の興味関心以外でも、とりあえず会話の話題として、どんな仕事をしてきたか聞いてみるのもいいかもしれません。
まずは先入観無しにインタビューしてみてはいかがでしょうか。
思わぬ発見があるかもしれませんよ。
就活では、身近な社会人に聞いた仕事の内容に興味をもって、最終的にその仕事を目指すことになったという例はたくさんあります。
偶然の出会いがきっかけということですね。
それでもOKだと思います。
これ、ホント穴場です。
筆者の経験ですが、学生時代の就活ではとにかく親の知り合い、親戚、大学の先輩で社会人として企業に勤めている人など身近な人に連絡をして、実際のどんな仕事をしているのかを聞いて回りました。
金融、メーカー、百貨店、出版社、広告など色んな業種で働いている人がいました。
そこで聞いた話は新鮮なものばかりでしたが、詳しく聞いていくとやってみたい!面白そう!と思える仕事が絞られてきました。
こうしてやりたいことが段々と見えてきたのです。
まずは先入観なしに、身近な人に仕事について聞いて回るというのは、いつでも気軽にできる有効な手段だと思います。
是非試してみてください。
関連記事で、下記の記事内で身近な社会人に話を聞いてみる事例を筆者の体験も踏まえて解説しています。
併せて参照してみてください。
④企業が発信している仕事情報を見る
就職サイトに掲載している企業のなかで、先輩社員情報を載せているケースがあります。
その企業の社員が【普段どんな仕事をしているか】【どんなことがやりがいか】について記事を書いています。
細かいところまでは書かれていませんが、イメージをつかむのには参考になる情報だと思います。
また、会社説明会に参加することになったら、是非最後の質問コーナーで具体的な仕事内容について聞いてみてもいいでしょう。
採用サイトなどで社員のインタビュー記事を見ても不明な点について具体的に質問してみるのもアリだと思います。
⑤キャリアカウンセラー等に相談してみる
以上のことを試してみても、まだピンと来ない場合は専門家に相談してみるのもいいと思います。
専門家とは、大雑把に分けて2種類あります。
・学校のキャリアセンターに所属している就職アドバイザー、キャリアカウンセラー
・就活エージェントのキャリアアドバイザー
基本的にこうした専門家は、あらゆる職種について具体的な仕事内容を熟知しているはずです。
その点ではプロですからね。
自分の興味関心や性格、今までの経験などを丁寧にヒアリングした後に、
「こんな仕事はどう?」
といくつか候補を挙げてくれると思います。
そして、具体的な仕事内容を説明して理解が深まるよう導いてくれるはずです。
たぶん、話を聞いていくと、
・自分にも合っているかも
・面白そうな仕事だな
・自分でもやっていけそう
このように自分だけでは、なかなか仕事のことを理解しにくい場合には、専門家に気軽に相談するのもいいと思いますし、前に進めるきっかけにもなると思います。
自分だけでは気付けない仕事に出会える可能性もあります。
自分の代わりに、合っていそうな仕事をいくつかピックアップしてくれるのでとても心強いと思います。
自分の所属している学校のキャリアセンターを訪問してみてください。
きっと親身になって相談に乗ってくれますよ。
または就活エージェント(新卒紹介)に登録して、まずは面談を受けてみてください。
面談では、担当のキャリアアドバイザーがキャリアセンター同様に気軽に相談に乗ってくれます。
就活エージェントについては、以下の記事で詳しく紹介していますので参考にしてみてください。
まとめ
就活を始めて、いきなり厳密に「やりたいこと」を見つけなきゃいけないなんてことはありません。
「やりたいこと」=どんな仕事をしたいのか?
ということになるので、まずは仕事について知ることから始めましょう。
インターンシップや社員懇親会、OB・OG訪問、また身近な社会人に仕事について聞いたり、企業が発信している仕事情報を見る、等の手段があります。
他の人の手を借りるのもありでしょう。
学校のキャリアセンターや就活エージェントのキャリアアドバイザー等に積極的に相談してみてください。
机の上だけではなく、上記のように実際に行動してみると、自分では気づけなかった仕事に出会うことがありますよ。
今回は以上となります。